遅ればせながら、あけましておめでとうございます。

2019年も英知税理士法人をよろしくお願いいたします。

 

さて、前回からかなり時間が空いてしまいましたが、勘定あって銭足らずの状態が発生する原因は、大まかに分けて、

①お金が入ってこなくても収益になる取引が多い

もしくは、

②お金が出ていっても費用ならない取引が多い

ことによるものだと考えられます。

 

さて、このような状態を改善するために、どのような対策をすべきでしょうか?

 

まず今回は、①お金が入ってこなくても収益になってしまう取引が多い場合を考えてみましょう。

 

このような場合の典型例は、商品販売したが未入金のもの(売掛金)が残っている状態であり、実務上はこれがほとんどの要因を占めているでしょう。

 

売掛金が残っていても通常のサイクルの中で未入金のものが発生しているだけであれば何の問題もありません。売上が急伸している企業においてはよく見られる現象です。そのような場合は一時的に借入により資金を用意することにより対策を講じることが可能です。

 

しかし、売掛金の入金が滞っている場合は要注意です。得意先に商品を販売(引き渡し)していれば、未入金であっても収益として計上しなければなりません。つまり、手許に資金が無くても利益が計上されてしまう。「勘定あって銭足らず」の状態に陥る大きな原因となります。

 

また、一度売掛金として計上してしまうと、入金が滞った売掛金を損失として落とす(貸倒損失)ことについては、税務署は特に厳しい目を光らせています。調査官としても決算書上目立つ貸倒損失の有無は調査先選定の材料の一つになります。

 

そのため、出来得る対策としては、与信管理をしっかり行うこと、これに尽きます。

得意先は期日どおりに入金してくれますか?新規取引先やスポットの取引先とは支払の取り決めをしていますか?

商売をやっている以上、商品を販売して回収するまでがワンサイクルです。売掛金を回収できなければ、手許に資金が残らないだけでなく、余計な税金を納めなくてはならず、特に消費税については、売掛金を回収できなくとも納めなければなりません。これは相当な負担となります。

 

そして、どうしても回収できない場合には貸倒損失を計上することを検討することになります。損失計上により帳面上の利益と手許資金との差を埋めることになります。

そのためには売掛金の発生から入金が滞った経緯をまとめ、“記録として残す”ことが重要です。先にも述べましたが、税務上、貸倒損失が認められるための要件は非常に厳しいものがあります。何も記録がない状態で認められる可能性は無いと思った方がよろしいでしょう。

 

当事務所では、調査官として調査に携わった経験から、どのような資料があれば調査官に反論できるかを検討しています。

貸倒損失の計上を検討している方はお気軽にご相談ください。

利益が出れば、手許にその分の現金・預金が増加することになりますが、税理士になってから「手元にお金が無いのに、なぜこんなにも利益がでるのか(=税金をおさめなければならないのか)?」という質問を受けることが非常に多くあります。

つまり、「勘定あって銭足らず」の状況に陥っているということですが、その原因は何なのでしょうか?

 

当然のことですが、利益の計算は収益から費用を引いて計算しますが、

お金が入ってきた=収入≠収益

お金が出ていった=支出≠費用

であるということを理解することが大事です。

 

つまり、以下のパターンが考えられます。

① お金が入ってきても収益にならないもの

・貸付金の返済を受けた

・販売前に受け取った商品代金(前受金)

② お金が入ってこなくても収益になるもの

・商品販売したが未入金のもの(売掛金)

・借金の棒引きしてもらった(債務免除益)

③ お金が出ていっても費用ならないもの

・借入金を返済した

・商品を仕入れたものの売れ残った商品(棚卸資産)

・固定資産を購入した

・事業資金を使って事業用以外の支出(個人的な買い物)をした。

・事業資金を使ったが領収書等の保管が無く何に使ったのか分からない。

④ お金が出ていかなくても費用となるもの

・減価償却費

・回収不能の貸付金、売掛金の放棄(貸倒損失)

・不要資産の廃棄、除却

 

「勘定あって金足らず」の状態は帳簿上は利益が出ているにもかかわらず、手許に資金がないということですから、上記②「お金が入っていなくても収益となるもの」、③「お金が出て行ってもの費用とならないもの」の理由により発生していると考えられます。

次回は、これらに対する対策を考えてみたいと思います。

当事務所ではクラウド会計を推進しています。

 

中でも、おすすめしているのはfreeeです。

使えば使うほど、よくできたシステムだなー。と感じてしまいます。

 

クラウド会計でfreeeと対比されるのがMFクラウドとなりますが、大きな違いは分析機能ではないでしょうか。

freeeは中小企業版のERPシステムの要素が非常に強いです。つまり、品目タグやメモタグ機能を用いて、あらゆる角度からデータを抽出・分析することが可能です。

一方でMFクラウドは記帳処理の省力化に重点が置かれているような気がしています。弥生会計等の会計ソフトになれた方はしっくりくるのではないでしょうか。

 

どちらも一長一短あるのですが、当事務所では、お預かりした会計データを分析し、顧問先の皆様の課題を洗い出すことにより、さらなる発展に貢献するという観点からfreeeをお勧めしているところです。

 

先に投稿したエントリーでも書きましたが、大企業では多額のシステム投資を行い、バックオフィス業務の省力化とともに、自社の経営状況の分析を行っています。これからは、中小企業版においてもERPシステムを活用し、自社の強み・弱みを数値的に把握していくことが重要と考えています。

 

ただし、freeeの分析機能をフルに発揮するためには、正しい会計の知識に基づいて処理を行うことはもちろんのこと、どういう角度で分析を行いたいのかを明らかにしたうえで処理する必要があります。

 

AIの技術を基にしたクラウド会計が普及すると税理士は不要になるとの議論がありますが、前提となる正しい会計処理の知識や、企業の課題は何で、それを明らかにするためにはどのような切り口で分析をすべきなのか把握すること、これらはAIでは未だ判断できる領域ではないように感じますし、そういう意味では、税理士の果たすべき役割はクラウド会計でこそ発揮できるものではないかと考えています。

 

細かいところで融通の利かない部分もありますし、各種自動連係機能に不満を感じることも少なくありませんが、バージョンアップを待たずして常に最新版を使用できることがクラウド会計の魅力の一つ。今後の進化には大いに期待しています。

 

freeeからいただいた湯飲みです。

毎朝この湯飲みでお茶を飲みながら、クラウド会計の普及に思いを巡らせています。

皆様、あけましておめでとうございます。「次回」と言いつつ、かなり時間をおいてしまいました。

さて、前回申しました私の税理士としてのミッション、それは「中小企業のバックオフィス(経理・総務・庶務)の生産性向上」です。

突然ですが私の両親は小さな個人事業を営んでいます。

父が現場に出て、母が総務・経理等を行う典型的な家族経営の事業者です。確定申告時期になると母は手書きの帳面を基に夜遅くまで決算書を作っていた姿が印象的でした。

それから国税の職場に入ることになり、税務署で中小企業に対する調査事務に従事しました。調査を通じて多くの会社の記帳状況を見てきましたが、世の中のほとんどの中小企業は私の実家と同じような状況でした。経営者は庶務・経理事務よりも売上を伸ばすことが至上命題であり、それが故にキャッシュを生まないバックオフィス部門は軽く見られがちです。そして私もそれを仕方がないと思っていました。

しかしながら、その後、東京国税局調査部という資本金1億円以上の大法人を所管する部署に異動し、大規模法人の調査に従事することになりました。そこで、大規模法人はERP(Enterprise Resourses Plannning)システム、つまり基幹業務システムの開発に巨額の投資を行っていることを知ったのです。大規模法人は、ERPを使用して、受注から売上計上・入金管理、購買から仕入・支払手続までが一気通貫となっており、バックオフィス業務の効率化を図っています。つまり、業務フローを洗い出し、経営資源(ヒト、モノ、カネ)の配置を最適化しています。

しかし、今やこれらの話は大規模法人に限ったことではありません。テクノロジーの発展による恩恵は中小企業にも押し寄せています。それがMFクラウドやfreeeといったクラウドサービスです。これらのサービスを活用することにより、バックオフィス業務の負担を軽くして、経営者の方が本来やるべき業務に集中していただくこと。

これが私が税理士として取り組みたいミッションです。

平成29年分の確定申告も近づいてきています。日々の記帳業務にうんざりだという経理担当の皆様、是非、当法人にご相談ください。